• 現在の状況

2年前に独立して以来、自宅を事務所として公認会計士・税理士事務所を営んでいます。監査法人出身ですが、今は企業へのコンサルティングの仕事がメインです。その他、訪問介護・看護支援のためのクラウドサービスを提供するIT企業の社外監査役も務めています。

今はもう子供たちは大きくなり、自分の体を動かして彼らを世話する“育児”をすることは無くなりました。彼らももう大人と言っても良い年齢なので、親があまりにも彼らに向き合いすぎたり、心配しすぎたりすると嫌がります。だから彼らにそっと寄り添う感じで接するよう心がけていますが、彼らとの距離の取り方は難しく、今も考えますね。

 

  • これまでの軌跡(キャリアの遍歴)

20代前半で結婚した後、34歳までずっと専業主婦をしておりました。当時の私の理想は“夫の仕事を支えること”。当時から公認会計士として活躍していた夫が独立して事務所を開業したら、私が彼を支えながら共に事業を営んでいくという未来予想図を描いていました。

しかし、その後一念発起し、私自身が公認会計士を“もう一度”目指して専門学校に通い、3度目の公認会計士試験で合格。37歳の時に晴れて公認会計士となりました。その当時はまだ子供たちが小学生だったので、資格取得後は育児をしながら勉強したり、働いたりしていました。

先ほど“もう一度”と言いました。それは、私はそれよりずっと前に公認会計士を目指して勉強していた時期があったからです。

高校卒業後、大学受験に落ちた私は、浪人生活をする代わりに簿記専門学校に通いました。しかし試験には何度も落ちました。その間、同じく会計士を目指していた今の夫と知り合い、結婚。彼は私より先に公認会計士試験に合格し、私のことを応援してくれましたが、結局受験は諦め、私と同じ夢を実現した夫を支える道を選びました。そして私が25歳の時に長女が、28歳の時に長男が生まれました。妻として、母として育児や家事に専念するうち、いつしか公認会計士への思いは消えていきました。

でも心のどこかで「いつかは社会に出たい」と考えていました。一度も社会に出た経験が無かった私が、社会人として仕事をしたいと思ったのは、それまでやったことが無いことに挑戦したいと思ったから、そして女性も経済的に自立した方が良いと思っていたからです。

私が専業主婦だった頃は、自分に自信がありませんでした。私はもともと、自分のことがあまり好きになれない性分だったのです。でも一方で「自分には可能性がある!」と考えるような、相反する感情もありました。育児や家事に自らの可能性を見出したり、自分の能力を発揮したりすることはもちろんあって良いと思いますが、当時の私は「それだけではないはず」と考え、“未知なる自分”を自分自身で開拓したいと思いました。何かに一生懸命取り組んだ末の達成感や、自分への自信を求めていました。何かしらの存在になりたいと思っていたのです。

私が実際に社会人としてのキャリアをスタートさせたのは、お弁当工場です。子供たちの世話を終えた後でも働けるよう、夜中の勤務シフトがあるお弁当工場を選んだのです。でもそこはわずか4日ほどで挫折しました。夜中勤務が辛かったからではありません。「簡単な流れ作業すら満足にできなかった」からです。

すっかり自信を失った私でしたが、だからこそ余計に「何かしらの存在になりたい」という強い欲望が生まれました。
そんな時「もう一度、真剣に公認会計士にチャレンジしよう!」という思いが湧き上がってきました。「ハードルが高いものにこそ、今挑戦するべきだ!」と。


こうして再び歩み始めた公認会計士への道。専門学校で再び勉強し直しました。子供たちがいたので勉強時間は限られていました。当時彼らはまだ小さく、幼稚園生だった長男と一緒に寝て自分だけ午前2時ごろに起きて勉強に取り掛かろうとした時、長女が起きたりしたこともありました。

 

夫や子供たちを見送り、日中授業を受け、夜7時半ごろまでに帰宅するという生活でしたが、近くに住む両親や夫がその事情を理解し、子供たちの面倒を見てくれたおかげで、3度目の試験でようやく合格。夫からも「良かったね!」と祝福されました。

その後、都内の監査法人に入社。しかし私は他の同期入社組よりやや年齢が高く、しかも彼らはすごく優秀な人たちだったので、苦労もありました。ちょうどそのタイミングで、知り合いだった参議院議員から請われてその人の秘書になりました。会計・財務分野担当秘書を1年間務めましたが、その間に父が逝去。一人になった母のそばにいたいと思い、栃木で独立し、自宅で事務所を開業。営業経験はほとんどありませんでしたが、ありがたいことに友人・知人からのご紹介で仕事をいただけています。

 

 

  • 困難だったこと、どう乗り越えたか

今は栃木県南部にある自宅が事務所ですが、監査法人時代は栃木から東京まで新幹線通勤をしていました。専業主婦時代に通っていた専門学校は埼玉県の大宮でしたが、会計士になってからの勤務先は、そのさらに先。

 

朝食を作って家族と食べ、時には子供たちにお弁当を作り、夫と子供たちを見送ってから朝7時50分ごろに自宅を出発。9時半に都内の事務所に到着、クライアントの現場に直行する時は10時集合でした。

 

決算などの繁忙期には終電で栃木に帰っていましたし、また普段もどうしても帰りが遅くなるため、夜ご飯を家族と一緒に食べることができず、朝食が唯一、私が家族と一緒に過ごせる時間でした。だから朝の時間はすごく大切にしていました。

 

また、育児に関しては、近くに住んでいた両親や夫の協力を仰ぎました。特に夫は「あなたの好きなようにやっていいんだよ」と言ってくれ、その代わり掃除と洗濯をやってくれました。私に家事ができていないことがあったとしても、彼は何も言わず目をつぶってくれました。

ただその一方で、専業主婦時代に公認会計士を目指して勉強していた頃は“自分のワガママで勉強させてもらっている”という思いがありました。それはもしかしたら、子供以外のことに時間を費やしていることへの罪悪感にも似たものかもしれません。しかもその“子供以外”というのが、仕事ではなく勉強だった。でも公認会計士になれるという保証はどこにもなかったのです。だから余計に「申し訳ない」という思いが強く、専門学校の行き帰りの電車の中で、ずっと泣いていました。


でもそのことを、夫には言えませんでした。なぜなら、それを言ったら私が負けてしまう気がしたからです。きっと彼は「もうやめてもいいんだよ」と私に言うだろう、そうしたら私は本当に公認会計士を諦めてしまうだろう・・・だから私は内にその気持ちを溜め込んでいました。その頃は夫にキツく当たってしまったことがありましたが、今思えば、彼は何も言いませんでした。私の辛さを分かってくれていたのだと思います。
当時の私のリフレッシュ方法は、お料理。辛い時は、たくさんお料理を作って気分転換していました。


 

  • 人生の決断に必要だと思う事

物事の選択を迫られた時、私は“高揚感”を大事にしています。どちらの方に行くべきか、どちらの物事を選ぶべきか迷った時は、私がワクワクできる方を選ぶことにしています。

ただ私の場合、自分の夢というワクワクできることを選んだ一方で、子供たちとの時間を犠牲にしたわけです。だから子供たちには、最大の感謝の気持ちを持って接しました。つまりワクワクできることを選ぶ一方で、選べなかった(もしくは“選ばなかった”)対象に対しても感謝することが大事かと思います。
 
もうひとつ“期間を決めること”も必要だと思います。何かを成し遂げたい、実現させたいと思ったなら、いつまでにそれを達成させるかを決めると良いと思います。

 

 

  • ポリシー、軸

「自分の可能性を信じる!」とはなかなか言い切れませんが「自分の可能性を信じたい!」とはいつも思っています。それが私のポリシーであり、軸とも言えると思います。
 

 

  • 自分の軸を見つけるために何をしてきたか

私の行動を制約する物事をきちんと受け止め、その状況で最善の行動をし続けることです。

私は学生時代、先のことを考えすぎて、これから起こることを心配するあまり、何も行動できずにいました。多分それは、当時は選択肢がたくさんあっただけに、何を選べば良いのか分からず、それが心配につながって結局何もできなかった、ということだと思います。

 

しかし結婚や出産を経て、むしろ私は行動的になったのです。それは物理的にも時間的にも制約が増えてきたことにより、選択肢が減ったために、「少ない選択肢にコミットすれば良いだけなのだ」と思えるようになったからだと思います。私の中に迷いが無くなり、精神的な自由すら感じられるようになったのです。

もし今の私が、当時の私に会ったら「先のことなんて考えず、目の前のことだけに集中して取り組めばいいよ」と言ってあげたいですね。

 

  • 座右の銘

アメリカの講演家であるケント・M・キース氏が唱えた「逆説の10ヵ条」の、以下の言葉です。

・第1条「人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい」
・第10条「世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい」

私は“愛”という言葉が好きです。そして私は「やられたらやり返す」という考え方が嫌な人間。愛に対し誠実な、清く正しい人でありたいといつも思っています。

 

 

 

 

 

 

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